MAGAZINE
2020年8月よりインスタに新しく追加されたリール機能。最大30秒間の短尺動画を投稿できるので、新たな発信方法として導入を検討する企業も多いでしょう。そこで今回は、広告も出稿できるようになったリールの基本情報や活用事例、広告の概要について解説します。
新機能の「リール」とは
インスタに新しく追加されたリール機能。2020年8月に追加されてから間もないこともあり、どのような機能なのか分からない方もいるはずです。そこで、まずはインスタの新機能であるリールの基本情報について知識を深めていきましょう。
閲覧履歴における足跡の有無や投稿先の種類も紹介するので、実際に投稿するときに役立ちます。
最大で30秒間の動画を投稿できる
インスタのリールは、15秒から30秒間のショートムービーを作成し投稿できる機能です。動画は新規で撮影できることはもちろん、過去に撮影した動画を組み合わせて作成することもできます。
また早送りや再生、ARエフェクトなどの編集機能も備わっており、オリジナルティ溢れる動画コンテンツを作れるのもリールの大きな魅力です。
閲覧履歴(足跡)はつかない
インスタのストーリーズには、閲覧履歴が残る、いわゆる足跡がつく機能があります。投稿を見たときに記録が残るので、相手に投稿を見たことがバレたくない場合はリールでも足跡がつくのか知りたい方も多いでしょう。リールは通常投稿と同じように再生回数が表示されますが、足跡はつかないのでユーザーは安心して閲覧できます。
リールの投稿先は3種類ある
リールを投稿できる場所は大きく分けて3種類あり、目的に合わせて投稿先を選べます。
【リールタブ】
短尺動画を投稿すると、リールタブに表示されます。ショートムービーには、キャプションやハッシュタグなどの入力が可能です。
【リール+フィード】
リールに加えてフィードに投稿すると、フィードタブにも表示されます。リーチ数を増やしたいときはフィードにも投稿するのがおすすめです。
【ストーリーズ】
ストーリーズに投稿するとリールタブには表示されません。24時間後に投稿は削除され、キャプションやハッシュタグなどの入力もできないのが特徴です。
リールの主な5つの機能
リールには、音声や動画速度、エフェクト、タイマー、位置合わせなど充実した機能が備わっています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
【音声】
ライブラリから音楽を追加できます。またリール投稿では、ライブラリだけでなく、オリジナルで作成した音源を使用することも可能です。オリジナル音源は投稿者に帰属されるため、動画を共有すると他のユーザーも使用でき、リール内で人気を集める可能性もあります。
動画にBGMを乗せれば投稿を見た方の印象も変わるため、演出のひとつとして積極的に使うことがおすすめです。
【動画速度】
撮影する動画の速度が変更できます。リールは、15秒から30秒で動画の内容をまとめなければいけません。現状の長さで商品やサービスの魅力を十分に伝えられないときは、動画速度を変更すれば時間内に収められる可能性もあります。
また動画速度を変更することで、面白い動画を作成して他の投稿と差別化できるのも大きな魅力でしょう。
【ARエフェクト】
リールでは、ARカメラを使用した撮影を行うことができます。またインスタだけでなく、世界中のクリエイターが制作したエフェクトを利用できるため、個性溢れる動画が作れるでしょう。
ARエフェクトでは、顔のパーツを動かせたり自社商品をはめ込んだり、さまざまな活用方法があります。
【タイマー】
インスタには、タイマー機能が備わっています。タイマーを設定すれば、撮影したい長さの動画を撮影できるので時間を図る必要もありません。ハンズフリーで撮影ができるため、時間制限のあるリール投稿の撮影時に役立つでしょう。リールの動画撮影に慣れるまでは、タイマー機能を活用するのがおすすめです。
【位置合わせ】
位置合わせとは、動画の撮影をする際、一つ前のクリップを表示させて撮影できる機能です。例えば、ファッションの着こなしや料理動画を紹介するときに対象物を一定の場所に設置できるので、ユーザーも見やすくなります。同じ被写体や対象物の撮影の場合に便利な機能です。
リールと他の機能やSNSとの違いは? 
ショートムービーを作成して投稿するためのツールには、TikTokやリールだけでなくストーリーズがあります。リールは、TikTokやストーリーズなどと比べてどのような違いがあるのか分からない方も多いでしょう。
どちらも短い動画を投稿するという部分は同じですが、他にも異なる点があります。ここでは、リールやTikTok、ストーリーズの違いを紹介しましょう。
短い動画を投稿するTikTokの違い
TikTokは、ショートムービーを作成して投稿できるSNSプラットフォームです。動画の長さが15秒〜3分以内で、リールと同じような機能を持っています。ただし、TikTokでは画像の投稿はできません。
またテキスト量はTikTokが全角150文字に対し、リールは全角2,200文字まで入力できます。動画に加えて文字情報も発信したいときにもリールがおすすめです。
時間限定で配信するストーリーズの違い
インスタには、24時間限定で動画を投稿できるストーリーズがあります。ストーリーズとリールの違いは、配信される時間です。ストーリーズは24時間後に削除されるのに対し、リールは通常投稿と同じく永久に保存されます。
またリールは複数の場所に投稿できますが、ストーリーズが投稿できるのは専用タブだけです。
リール投稿する方法
次は、リール投稿する方法を見ていきましょう。
【リール作成画面を表示する】
ホーム画面のビデオアイコンを選択して、リール作成画面を表示。作成画面が表示されたら、カメラのアイコンを選択します。
【投稿する動画を撮影する】
カメラのアイコンを選択したら、早速撮影を開始しましょう。長押ししている間は撮影することが可能です。ハンズフリーで撮影する場合は、タイマーを設定すれば指定時間に撮影ができます。
【撮影した動画を編集する】
撮影が完了したら、次は動画を編集しましょう。音楽の挿入や速度の調整だけでなく、撮影した動画から不要な部分をカットすることも可能です。
動画のカットは「矢印アイコン」「ハサミアイコン」の順にタップすれば、調節したい部分のトリミングができます。必要ない部分は、ゴミ箱アイコンを選択して削除しましょう。
【テキストを入力して投稿する】
動画の編集が終わったら、キャプションを書いたりハッシュタグを記入したりします。キャプションに記載できる最大文字数は、全角で2,200文字までです。指定文字数内に収まるように商品やサービスの魅力を伝えましょう。
リールを投稿するときの注意点
リール投稿は新しく追加された機能であることから、まだ導入していない企業も多いでしょう。実は、リールには、始めるうえで知っておくべき注意点がいくつかあります。ここでは、これからリールを導入する企業に向けて、使用するときの注意点をまとめました。注意点をしっかり押さえておけば、リール投稿におけるトラブルを回避できるでしょう。
ビジネスアカウントはBGMを付けられない
インスタには、個人アカウント・クリエイターアカウント・ビジネスアカウントがあります。個人アカウントとクリエイターアカウントの場合、動画に音楽を挿入することが可能です。ただし、ビジネスアカウントでは音楽を挿入できません。
ビジネスアカウントには、広告を出稿できたり店舗情報を記載できたり、他のアカウントにはない充実した機能が備わっています。多くの企業ではビジネスアカウントでインスタを運営していることも多いはずです。しかし、この場合はBGMを付けられないので注意しましょう。
リール投稿だけ非公開にできない
投稿後に、不特定多数の方に内容を見られたくないという場合でも、リール投稿だけ非公開に設定することはできないので注意しましょう。リール投稿を見られたくないときは、アカウント自体を非公開にする必要があります。
ビジネスアカウントでリール投稿する場合は、不特定多数の方に見られてもいいという前提で作成しましょう。
一度投稿したリールは再編集できない
リールは、一度投稿すると音声の挿入やエフェクトの変更などキャプション以外の修正はできません。もし動画内容に間違いがあった場合は、動画を削除して新しく作り直し、再投稿する必要があるのです。
作業の負担を回避するためにも、動画内容に間違いがないかどうか、投稿前に社内で確認してから共有することをおすすめします。
端末に保存した動画を組み合わせられる
リールは新しく撮影した動画だけでなく、過去に撮り溜めた動画を組み合わせてショートムービーを作り、投稿することも可能です。各動画をカットして編集すれば、複数の動画も15秒から30秒の時間内に収められます。
この方法をうまく活用すれば、オリジナリティのある動画も作成でき、ユーザーに対して効果的にアプローチできるでしょう。
ストーリーへの投稿は自動的に保存される
15秒以内という条件はありますが、リールはストーリーズにも投稿できます。ストーリーズの投稿内容は24時間後に画面から消えますが、実はアーカイブに保存されているのです。
ストーリーズに共有したリール投稿も同じく、アーカイブとして保存されるため、後で確認することができます。完全に消去されるわけではないので安心しましょう。
ビジネスにおけるリールの活用事例5選
ビジネスアカウントでリールを投稿する場合、どのように活用すればいいのか分からない方も多いでしょう。そのようなときは、他のブランドが実践してきた活用事例を参考にするのがおすすめ。今回紹介するリールの活用事例は以下の通りです。
- MAYBELLINE NEW YORK(化粧品)
- SHISEIDOU(化粧品)
- FRAMeWORK(アパレル)
- Mr. CHEESECAKE(スイーツ)
- 松屋フーズ(飲食チェーン)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.MAYBELLINE NEW YORK(化粧品)
世界中に多くのファンを持つ、MAYBELLINE NEW YORK(メイベリン ニューヨーク)。インスタのフォロワー数は2021年7月時点で1,100万人を超え、30本以上のリールが投稿されています。
例えば、有名なインフルエンサーを活用して3色のリップを塗るリール動画は、210万回以上の再生数を誇り世界中から大きな反響を得ました。
2.SHISEIDOU(化粧品)
日本のコスメブランドでありながら、グローバルにサービスを展開するSHISEIDOU(資生堂)。インスタのフォロワー数は2021年7月時点で約128万人、商品紹介をメインに多数の投稿を配信しています。リールも多く投稿していますが、中でも注目を集めたのは、銀座の旗艦店である「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」の紹介動画でした。
3.FRAMeWORK(アパレル)
株式会社ベイクルーズが展開するアパレルブランドのFRAMeWORK(フレームワーク)。公式インスタのフォロワー数は2021年7月時点で8万人を超え、新作アイテムの紹介投稿をメインに配信しています。
リール投稿も活用しており、特に人気を集めるのはアクセサリーの取り入れ方やコーデ術を紹介した動画です。シャツの着まわしを紹介したリールでは、4万回以上再生されています。
4.Mr. CHEESECAKE(スイーツ)
チーズケーキのオンライン販売を展開しているMr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)。オンライン販売のみに関わらず、公式インスタのフォロワー数は2021年7月時点で14万人を超えています。
リール投稿では、チーズケーキの焼き上がり具合などを紹介して購入に繋がるようなコンテンツを多く投稿しているのが特徴です。
5.松屋フーズ(飲食チェーン)
牛丼チェーンである松屋を展開する松屋フーズ。公式インスタのフォロワー数は2021年時点で3万人を超えています。リールでは、ユーザーが思わず笑ってしまうような面白い動画を投稿しているのが特徴。他のブランドとの差別化を図るために、独自の投稿を発信しています。また、流行するタグをうまく活用しているのも参考にしたい点です。
インスタがリール広告の提供を開始!
インスタに新登場したリール。2021年6月より、リールで広告出稿が可能になったことが発表されました。日本をはじめ、リールが利用できるすべての国と地域で広告が出稿できるようになったのです。
リールを導入する場合、広告も出稿したいと考える企業も多いでしょう。ここからは、リール広告について解説します。
リール動画の合間に広告が表示される
リール広告は短尺動画が再生される合間に表示され、ループで再生されるのが特徴です。ストーリーズと同じように縦長の画面で表示されます。
企業は最大30秒以内で作成した動画を広告として出稿でき、リール専用タブだけでなく、発見タブやストーリーズでも表示されるのが魅力。自社の広告を挟みながら商品やサービスを紹介できます。
閲覧者は広告にアクションできる
ユーザーは、リール投稿だけでなく、広告にもアクションを起こすことが可能です。またリール広告におけるユーザーの反応も細かく確認できるため、反応が悪い場合は分析することもできます。
例えば、リール広告をスキップしたり非表示にしたりするなど、ユーザーの行動を把握できるのです。広告を作成するときに役立つでしょう。
リール広告を申請する方法は?
リール広告を出稿するためには、広告を作成して申請を行わなければいけません。リール広告を作成してから申請するまでの手順は、以下の通りです。
【リール広告を申請する方法】
インスタにリール広告を申請するには、まず広告マネージャから「作成」を選択。広告の目的を選択し、予算や掲載期間、キャンペーンの詳細などの設定を行います。その後、「配置オプション」「手動配置」の順番に選択。
「ストーリーズ」の横にあるドロップダウンを選んで、「Instagramリール」のボックスをオンにしましょう。「コールトゥアクション」を選択して広告の作成が完了したら自動的に審査に送信。審査が完了したら、リール広告が表示されます。
インスタに新登場したリール広告をうまく活用しよう!
2020年8月より、インスタに新しく追加されたリール。24時間後に消えるストーリーズとは異なり、専用タブに永久に保存されます。またリールは機能も充実しており、音声やエフェクト、速度などの編集をすることも可能です。
注目を集めるリールにおいて、2021年6月より広告出稿の提供が開始されました。ユーザーがリールを見て楽しんでいる合間に広告が表示されるので、多くの方に受け入れやすいといわれています。
事前申請が必要ですが、自社で作成した広告を出稿してユーザーにアピールできるのは大きな魅力ではないでしょうか。インスタに新登場したリール広告をうまく活用して、自社の商品やサービスの魅力を存分に伝えましょう!
このような動画を作成しました